ピッチと音程感



マセラティ3200GTは走行8500kmを境にエキゾーストノートが1オクターブ
ほど高くなった。(Carマガジン99/6号記述より、、、ウル覚え)

この間書いたようにエンジン音のピッチ(基本周波数=音程)というのは爆発の間隔、
つまり回転数で決まります。回転数が倍にならない限り1オクターブ高くなることはあ
りません。

じゃあ、Carマガジンの編集者が嘘を書いてるのか?それとも洒落(というか物事の
例え)で書いてるのか?ということになりますが、そうでない場合もあるんかいなと思
って考えてみました。


共鳴系(この場合エンジン音が、エンジン本体や排気系で共鳴する)は基本的に倍音成 分で成り立っています。分かりやすい周波数で書けばピッチ=100Hzのとき、倍音 成分は200、300、400、500、、、、となります。(こんなにピッタリ合っ てることはないでしょうけど) これより1オクターブ高い時、ピッチ=200Hzのときの倍音成分は、400、60 0、800、、、となります。 つまりピッチ=100Hzの場合の奇数倍音(100、300、500、700、、) を消してしまえば、保有成分は200Hzのときと同じだから、あたかも1オクターブ 高くなったような錯覚に陥ってしまいます。 えぇ?100Hzの音だけ消してしまえば良いんじゃないの?と思いがちですが、不思 議なことに人間は、200、300、400、500、、、という成分の音を聴いても 本来聞こえていない100Hzのピッチを感じます。すごいぞ人間。 なので、300Hz、500Hz、、、の奇数倍音をカットしてあげないといけないん です。 そう考えると、今回のマセラティは、マフラーの抜け等の変化により、自然のフィルタ が掛かり、あたかもそう聞こえるようになったということなんでしょうか。 ただし、そんな便利なことがそうそう起こるとも思えません。有り得るとしたら、10 0Hz近辺から上のみを通すハイパスフィルタが掛かってしまった、かつ、奇数倍音の レベルが元々小さかったという理由になるはずです。 でもこれでエンジンが発せられるピッチ全てをカバーできるわけでもないんですよね。 だって、エンジンって大体3オクターブのピッチ(1000rpm〜8000rpmと して)を持ってるんですけど、フィルタ特性としては1種類しか持てないはずだから、 仮に1オクターブ高く聞こえる回転数があったとしても、その回転数よりも上ではハイ パスフィルタの通過域にピッチ成分が出てしまうので、同じピッチに聞こえるはずだし 、下だと倍音成分までもが阻止域に入ってしまって、音が高く、そして小さく聞こえて しまいます。 だいたい、ピッチ成分というのは倍音成分に比べて大きいのが普通なので、それを取り 去ってしまえば、音量は小さくなってしまいます。でも静かになったとは書いてないし ねえ。 だからやっぱり、Carマガジンの書いてることは嘘に違いない。(笑) 正確には「マセラティ3200GTは走行8500kmを境にエキゾーストノートに高 域成分が多く含まれるようになってきた。」と書くのが正しいと思われます。 でも、マセラティ3200GTには乗ったことも見たこともないので、これが真実かど うかもわかりません。もちろん、今後も見ることも乗ることもないでしょう。(笑)
おわり